シリコン等によるファンヒーターへの影響


 ←シリコンにより白くなったフレームロッドです。

     

◆ シリコンによる誤動作停止について・・・

シリコン含有製品を使用しますとシリコンが本体内に吸入され、炎検知器(フレームロッド)
周辺に白い酸化物が付着します。その結果、着火不良や途中消火といった症状が発生します。


フレームロッドは、不完全燃焼を検知する重要なセンサーです。
炎にさらされる事により常に炎電流をキャッチし、正常な燃焼状態である事ををマイコンが
確認しています。
不導体であるシリコン酸化物でセンサーがガードされますので、ちゃんと綺麗に燃えていても、
マイコンは危険な「不完全燃焼状態」である・・と判断してしまうのです。

フレームロッドが不完全燃焼を感知→メイン基盤が異常と判断して電源を落とす・・という流れ
になりますので、ある意味「本体は極めて正常に稼動している」と言えます。


またお部屋に飛散しているシリコンは、残念ながら目には見えません。

ヒーター内部で加熱され化学変化を起こし、この時点で白い結晶となります。
メーカーを問わず同じ方式のファンヒーターであれば、全て止まってしまいます。
このフレームロッド方式は、不完全燃焼による中毒事故を防ぐ観点からもいちばん安全性が高い
為、法令上変更する事は出来ません。

使用環境を変える事が一番ですが、幾度となく症状が繰り返される場合「エアコン」や
「ストーブ」、あるいは灯油を使用しない「セラミックヒーター」等に変えて頂くしか方法は
ございません。



◆ 症状としては

症状が現れるまでの時間には当然ながら個体差があります。
使用後間もなく(数分〜数時間)
「換気ランプ」・もしくは「E03、13」が点灯し、
消火に至るケースが多いようです。
また重症なケースではフレームロッドに炎電流が全く感知されなくなり、
正常な着火すら出来なくなってしまいます。
「E02」 


◆ 修理が必要です

フレームロッド(炎センサー)、バーナー、点火プラグ類の清掃、あるいは交換、
場合によっては気化器の交換等も必要になります。



◆ 主な原因として

・化粧品類

(ヘアートリートメント全般、ムース、枝毛コート剤、保湿用化粧液、ハンドクリーム等)

→最近ではドライヤーでお部屋で乾かす、「洗い流さないタイプのヘアートリートメント」
による被害が急増しております。

メーカーによっては、裏面に「ファンヒーター付近でご使用されますと、故障の原因となる事が
あります」という旨の注意書きが書いてある商品もあります。


・衣類関係
(撥水剤、柔軟剤、防水スプレー、アイロン用スプレー、静電気防止剤、しわ伸ばし剤等)


・家具関係
(フローリングの艶出し剤、化学モップ、保護剤等)



男性の一人住まいやご主人の書斎専用ヒーター等では、この修理で呼ばれる事は少ないです。
やはり女性の方がご使用されている場合が多いです。

また一戸建て住宅よりも、空間面積が狭く機密性の高いマンション・コーポ等のほうが
影響を受けやすい傾向にあります。




 事例紹介 



同じ家で3台ダイニチのファンヒーターを使っている。
「なぜかいつも1台だけ換気ランプが点いてしまう・・これは不良品ではないか?」
という内容。
もし原因が不良灯油ならば、全ての機器に不具合が出るハズです。
シリコン被害を疑う典型的な例です。


<検証>

娘さんのお部屋(6畳間で閉め切った環境)で使用。
パネルを外し、内部を分解・確認。
フレームロッドがシリコンで真っ白な状態でした。


<対応>

購入後約4ヶ月という事もあり、シリコンの焼きつきは無し。

→フレームロッドに付着しているシリコンを清掃・除去。
→シリコン被害についてご説明。

そのファンヒーターは娘さんの部屋で使用していて、やはり化粧品による重度のシリコン被害を
受けておりました。
やはり今までも、娘さんの部屋のファンヒーターだけ調子が悪かったそうです。





ファンヒーターは綺麗なブルーの炎で燃焼させる為、そして一気に温風をお部屋に拡散させる
為に、その構造上背面のファンから常に大量の空気を取り入れています。

ちなみにこの吸気力は強力で、2週間も掃除をしないとファンカバーがホコリで一杯になり、
状況にもよりますが、最終的にはE09が出てオーバーヒートにより機器は停止します


付近でシリコン配合製品を使う場合、お部屋の空気に混ざったシリコン粒子を同時に吸い込んで
しまうのです。


 対策としては・・ 


@ 化粧品(特にヘアートリートメント)は注意。髪をファンヒーター付近で乾かさない。

A 洗濯物の部屋干し等は避ける。(ファンヒーターで衣類を乾かさない)

B ヒーター自体の設置場所を変える。(特にワンルームで逃げ場の無い場合など)

C フローリング等で化学モップを使わない。(ヒーター設置場所では水拭きにする)

D ストーブ・エアコン等他の機器に変える。(環境を変えられない場合)

特に「洗い流さないヘアートリートメント」は、シリコン化合物が多く含まれる製品があり、
また揮発し易いという特徴があります。
まだ充分に髪が乾いていない状態ですと、どうしてもファンヒーターはシリコン粒子を吸い込んでしまいます。


頭の痛い問題ではございますが・・
いずれにしましても上記の症状は、「どこかの部品が悪い」といった故障ではありませんので、
部品等を新品に交換しても、環境が変わらなければすぐに症状が再発する可能性が高いです。



<参考資料>
日本ガス石油機器工業会「シリコーン等による石油ファンヒーターへの影響」*pdf